ナ〜ハ行


・ニュートラルステアリング(略語:ニュートラルステア[neutral steer])
一定のハンドル角で大きく旋回しているとき、速度を上昇させても半径の軌跡に変化がない持性をニュートラルステアリングといいます。


・熱価
スパークプラグの温度調整の為に熱を逃がす度合いの事。
又、プラグの熱価が低い場合などにプラグの温度が上昇して放電しやすくなり、正規の点火時期より早く着火してしまう過早点火(プレイグニッション)を引き起こします。
低熱価:プラグの温度が上がりやすい
高熱価:プラグの温度が冷えやすい
熱価は絶縁体の表面積を買えて調整しており、1番手熱価を変えると電極先温度は約50℃変わります。
参考にNGKプラグだと一般車は熱価7番に対し、常時エンジンを高回転で高温になるハイチューンされた車等は10番以上のプラグを使用しています。


・ネット
エンジン特性(性能)を計る為に、実車に実際に搭載状態で計測した値。
同じエンジンで測定した場合「ネット」は、「グロス」より約15%程度低い値(自工会調べ)となっています。
反対語⇔グロス


燃料[fuel]
自動車用燃料には主にハイオク、レギュラー、軽油の三種類があり、自動車ごとに使用燃料が指定さている。
ハイオクとは無鉛プレミアムガソリンのことで、オクタン価が高く高性能エンジン車が指定ガソリンとして採用する場合が多い。
レギュラーとは一般的な無鉛ガソリン、軽油はディーゼルエンジン専用の燃料です。

現在、ガソリンには1リットル当たり53.8円のガソリン税(原油関税、石油税および消費税を加えると約61円)がかけられています。
例えば、ガソリン小売価格が1リットル当たり100円とすると、消費税を含めて、その約60%が税金だということになります。ガソリンが生活必需品となっているにもかかわらず、たばこやビールなどの嗜好品よりも税率が高いのです。
バスやトラックの燃料である軽油にも、1リットル当たり32.1円の軽油引取税(原油関税、石油税および消費税を加えると約37円)がかけられています。

燃料 分子式
(炭素数)
分子量 密度(20℃)
(g/cm3)
沸点(760mmHg)
(℃)
理想空燃比
(kg/kg)
発熱量
(kcal/kg)
引火点
(℃)
着火温度
(℃)
空気中燃焼範囲
(vol%)
ガソリン CnHm(C4〜C11) 約100(平均) 0.72〜0.78 17〜220 14.7 約 10,500 約 -40 約 260 1.4〜7.6
軽油 CnHm(C11〜C16 約200(平均) 0.83〜0.85 180〜360 14.7 約10,200 約 70 約 230 0.6〜7.5

密度とは、難しく言えばその物質の体積と同じ量の水の重さに対する比率(水の比率=1の基準)を示すものですが、簡単に考えれば、水より重いか軽いかをはかる目安であると言えます。
そして、その密度は、各物質それぞれに固有の値が決まっており、ガソリンであれば密度が水よりも小さくて0.720〜0.780となっています。
つまり、同じ1リットルの量であれば、水の重さは1000グラムですが、ガソリンは720〜780グラムで同じ1リットルの量でありながら280〜220グラムも重さが異なることになります。
沸点とは、大気圧下での蒸発温度を示すもので燃料の揮発性(気化性)を示す目安になります。
この温度が低いほど燃料の気化がしやすくなり、エンジンの始動性や低温での運転性が良くなります。
ただし、この温度が常温よりも低くなると気化が激しくなり、火気のある場所では「非常に危険な燃料」となって、我々が趣味で使用する燃料としては適さなくなります。
逆に沸点が高い燃料は気化性が悪くなり、エンジンで燃焼させにくくなります。
又、ガソリンや軽油は、各種炭化水素の混合物(数千種類の混合物といわれている)であるために、ある一定幅の沸点範囲を持ちます。
例えばガソリンの場合は、沸点範囲が17〜220℃位になり、気化性が高い低沸点の留分から、気化性の低い高沸点の留分まで含まれた燃料といえます。
空燃比は別項目で詳しく説明していますが簡単に説明しますと、エンジンがシリンダーへ吸入した「空気」と「燃料」の重量比のことを言いますが、特に空気と燃料が化学的に過不足なく反応(完全燃焼)する空燃比のことを「理論空燃比」といいます。例えばエンジン調整の際に、燃料の割合を多くして、空燃比が理論空燃比よりも小さくなれば「リッチに(濃く)なった」と称し、逆に、燃料の割合を少なくして、空燃比が理論空燃比よりも大きければ「リーンに(薄く)なった」と言って、エンジン(キャブレター)の燃料調整の際の指針とします。
発熱量とは、燃料を完全燃焼させたとき発生する「燃焼熱量」のことをいいますが、実際には、燃料が燃焼する際に水蒸気を発生するため、その「潜熱」分だけ小さい値を示します。
詳細⇒ガソリン、軽油


・ノッキング/デトネーション[knocking / detonation]
ノッキングとはエンジンのデトネーション(異常燃焼)の一部を表す。エンジンは正常燃焼により燃焼室温度を安定させるよう設計されているが、何らかの原因で正常でない燃焼を始めると燃焼室温度は上昇し、点火プラグの火花からでなく上昇した燃焼室壁温で爆発を起こす。この時シリンダーをノックしたようなキンキンやカンカンという音を発生するためノッキングと呼ばれる。症状がひどくなると、ピストンが溶けたり焼き付けを起こしたりするので注意が必要。ハイオクガソリン仕様車にレギュラーガソリンを入れるとこの現象が起こる場合がある(特に欧米車)。
主な原因は、プラグの熱価が低い場合に発生し、プラグの温度が上昇して放電しやすくなり、正規の点火時期より早くなる過早点火(プレイグニッション)や、圧縮比の上げすぎ、ターボの加給圧の上げすぎ、燃料のオクタン価が低い、吸入空気温度が高い等が理由に挙げられます。
又、デトネーションとは混合気が本来持っている燃焼温度(発火点)がピストンで圧力が加わわり加圧された混合気が燃焼温度に達し自己発火、爆発してしまう現象の事。


・ハイオク[highoctane]
ハイオクタンガソリンの略語。
詳細⇒ガソリン


・パワーウェイトレシオ
馬力荷重のことで、1psあたりの車体重量kg/psで表示。
計算方法は車体重量÷馬力=パワーウェイトレシオ(kg/ps)
この数値が小さい方が運動性に優れています。
参考にF1マシンは0.7〜1.0kg/ps。
市販車は8〜12kg/ps。


・ピッチング[pitching]
車の挙動3大要素の一つ。
前輪のサスペンションが沈んだ時に後輪のサスペンションが伸び、次にその逆の動きをする、車体の前後方向へのシーソーのような動きを言う。
柔らかい足回りの車で走行中にブレーキングをすると車体が前方向に傾き、ブレーキを離すと一瞬後ろ方向へ車体が傾く動きと言った方が理解しやすいかも知れない。
ピッチングの大きい車は乗り心地が悪いが、まったくピッチングしない車は曲がりにくいだけでなく、大変危険である。
足を固めたチューニングカーには付き物です。


・ヒューズ
過電流が流れた時に鉛が溶けて電流が流れなくする安全装置。


・ヒール&トゥー(略語:ヒールトゥー)

ヒール&トゥーとは、トゥー(つまさき)でブレーキを踏みながら、ヒール(かかと)でアクセルで回転を合わし、シフトダウンをするというテクニックです。
つまり、コーナー手前で減速をしながら、ミッションも最適なギヤに落としスムーズな加速体制にする為のテクニックです。


・フェーエルリーンベスト機構
ロータリーエンジンの複雑な機構の為に、アイドルを検出すると、燃料噴出量を徐々に減らしていき、アイドル回転が不安定になる箇所で、噴射量を増やし、一番安定する所に自動調整する機構。
分かりやすく言うとアイドリング時の燃調を自動でベストな状態に保つ機構である。
又、点火時期も目標アイドル回転より低い時に、点火時期を早めて、目標回転まであげるというフィードバック制御も行っている。
詳細⇒ロータリーエンジン


・プラグ[plug]
スパークプラグともいう。エンジンの内燃機関の点火装置。ガソリンを霧状にしたところに、電気スパークを与える事により爆発が起こり、ピストンを動かす。
一般車にはニッケルプラグを使用。
プラチナプラグはニッケルよりも高温に強く、イリジウムプラグより高温に弱いですが高温でも酸化しないので連続使用時の耐久性は優れています。
サーキット等で常時高回転を使用するときはイリジウムプラグの方が融点で優れており、その為に中心電極部を細く(0.4mm以下)する事で飛火性が向上するとともに着火性が向上します。これは電極が細くなった事で電極間の熱吸収が少なくなり、火炎核が成長しやすくなるためです。

素材 融点(℃) 酸化開始温度(℃) 硬度(Hv)
イリジウム 2,454℃ 1,030℃ 400Hv
タングステン 3,380℃ 730℃ 400Hv
プラチナ 1,769℃ 高温でも酸化しない金属 100Hv
ニッケル 1400℃ 800℃ 150Hv

プラグの適正温度は電極部分で450℃〜850℃です。
俗に一般販売されているレーシングプラグとは熱に対する耐久性させただけです。
またレーシングプラグの選び方とすれば、加熱防止の為外側電極が引っ込んだタイプが高出力を追及するに連れて燃焼温度も上昇する為出力を上げる為には効率がいいです。しかし、デメリットは点火の位置が燃焼室の中央から若干ズレる為、理想的には完全燃焼までの時間が微妙に長くなる性質があります。


・ブリスターフェンダー[blister fender](略語ブリフェン)
オーバーフェンダーの様なアーチ部分だけの広がりではなく、フェンダー全体が左右に大きく張り出しているもの。
ブリスターとは英語で「水ぶくれ」という意味です。
オーバーフェンダーより、より外側に広げられる事や、整流効果までを効率的に出来るのがブリスターフェンダーですが、オーバーフェンダーより高価で場合によってはフロントバンパーや、リアバンパー、サイドステップまでも交換しなければいけない様な場合があります。
上記のフルキットの場合は約60〜100万位が相場です。
類義語⇒オーバーフェンダー


・ブレイク[break]
タイヤの限界グリップ力を超えてしまった時の状態を表す用語。
FRの場合によく多用し、主にリアが滑り出した時の状態です。


・ブローオフバルブ[Blow Off Valve]
ブローオフバルブとは、ターボによって過給された空気が、スロットルが閉じられることによって、逃げ場を失い、タービンに逆流しようとして、タービンを破損してしまうのを防ぐために、途中で圧縮空気を逃がしてやる為のバルブです。
通常、ブローオフバルブには内部にスプリングが仕込まれており、このスプリングによって、余分な空気を吸入しないよう制限されています。
また、ブーストがかかった際には、インマニ内の圧がスプリングによる閉鎖を助けるようになっており、インマニ内が正圧になっても、ブローオフから逃げないようになっています。
しかし、スロットルが閉じた際には、スプリングの働きを助けていた圧がなくなり、更に、エンジン自体(シリンダー内圧)による陰圧により、ブローオフ内部のバルブが開かれ、吸入回路内に残った圧縮空気が吐き出されます。
ターボ車である以上必ず純正でも装着されているバルブで純正は逃がした空気をエアクリーナー内に戻して空気量の調整をしています。
次に、アフター品のブローオフバルブ(大気開放タイプ)を付けると エンストをすると言いますが、Dジェトロである車種に関してはエアフロがないのでエンストは起きません。
エアフロで空気の量を測定しているLジェトロでは大気開放する事でエアフロが測定した空気の量と実際にエンジン内にある空気の量に違いが出る為、前方が赤信号なのでクラッチを切って惰性で走行する時や、クラッチを切った状態で空ぶかしをするとエンストがおきやすくなりますが、Dジェトロ方式の車種ではエンストはしません。
それでも大気開放ではブローバイガスを吐き出すことになるのでオイルの消費量を増やしてしまいますので、エンジンにとっては良くないと考えられています。
そもそもブローオフバルブとはタービンを保護する目的ではあるが、実際はレスポンスを高めるパーツであるのでアクセルON、OFFの回数が多いサーキットやゼロヨンでは有効パーツと言えるかもしれません。
詳細⇒Dジェトロ、Lジェトロ


・ベースアイドル
ISCバルブなどのECUの補正を抜いたアイドリングの状態。
一番基礎となるアイドリング状態を表す。
詳細⇒ECU、ISCバルブ