サ〜タ行


・サスペンション(略語:サス)
懸架装置で自動車の荷重を支持し、路面から得た衝撃や振動をホイールから入力され、それらを緩和すると共に、駆動系の一部として動力を伝える役目。


・サージング[surging]
バルブサージングといい、そのエンジンの許容回転数を超えて回すと、吸排気バルブが異常振動を起こして出力が落ちてくる状態。
主な原因はバルブスプリングの固有振動数の問題であるが、最近の車にはレブリミッターが装着されているので、実際にサージングを起こすまでエンジンを回し続けることはあまり無い。


・最高出力

エンジン性能を表す表記の一つで、そのエンジンが発揮する最高の馬力。
○ps/○rpm または ○Kw/○rpm と表記される。
rpmとは、revolution per minuts の略で、クランクシャフトの1分間の回転数のこと。
280ps/8200rpm と言う表記の場合、直結ギアで8200回転時に280馬力発生すると言う意味。
尚、馬力の基準は、1ps=75kg-m/sec で、75kgの物体を1秒で1m動かす力である。


・最小回転半径
ステアリングを一杯に切っている状態で曲がろうとする時、外側になるタイヤが回れる最小半径のこと。
実際には、タイヤの外側にはボディがあるので、更にスペースが必要になる。


・最大トルク
エンジン性能を表す表記の一つで、エンジンの回転力が一番強いときの力。
○kg-m/○rpm または ○N-m/○rpm と表記する。
42.5kg-m/4150rpmと言う表記の場合、42.5kgの物体を1mの棒の先端に付けた物を4150回転時に回すことが出来る力と言う意味になる。
車の運転や知識が初心者のうちは最高出力に目が向きがちだが、最高出力を発生させて走れる環境は世界中の何処を探しても大きなオーバルのテストコース以外にないのが現実で、実際に体感として感じているのは、パワーではなくトルクの方であることが多い。


・スキール音

ローリングや、急ブレーキ等でタイヤの限界を超えて発生する「キキッ」というタイヤの鳴いた音の事。
ローリング中になるスキール音は、これ以上はタイヤのグリップを失う限界状態に発生するのでコーナー限界速度として目安に出来ます。
ただ、セミスリックタイヤ(Sタイヤ)や、スリックタイヤはスキール音が発生しにくく、急にブレイクしてしまうので非常に優れた感性と経験が必要になります。
詳細⇒ローリング
詳細⇒ブレイク


・スタビライザー[stabilizer]
アンチロールバーとも言い、コーナリング中に発生する車体のロールを少なくするための物。
乗り心地を損なわずにロールを抑えられる。
ステアリング特性にも影響を与えられ、一般的には前輪を強くするとアンダーステアに、後輪を強くするとオーバーステア傾向になる。
前輪か後輪、または両方に懸架装置よりも路面側に、曲げた棒を左右につなぎ、棒のよじれを利用して左右のストローク差を懸架に代える装置。前後の振動の影響を受けず、構造が簡単なのが特徴。安価な上、ピッチング、ヨーイングにほとんど影響なくローリング(ロール)剛性を上げることができるため、ローリング(ロール)が気になる走りができるようになったら是非チューニングしたいパーツの一つ。
詳細⇒ピッチング
詳細⇒ヨーイング
詳細⇒ローリング


・ストール/エンジンストール[engine stall](略語:エンスト)
走行中などに急にエンジンが停止してしまう現象。
燃料系や電気系のトラブルなどで発生することもあるが、MT車でのクラッチ操作ミスや坂道発進時など、ドライバーの操作ミスが原因であることのほうが多い。
エアフロを持つLジェトロニックの車に大気開放型のブローオフバルブを装着した場合も吸気測定が出来ずエンジンストールしやすくなります。
信号待ち等でクラッチを切った状態で惰性で走るとエンストしてしまうケースのほとんどは吸気関係のトラブルが多い。
詳細⇒Lジェトロニック
詳細⇒ブローオフバルブ


・スポイラー
車体側面に入る空気の乱入により車体は上ヘ上へと持ち上げられタイヤと地面との接地力が低下してしまいますが、空気抵抗(ダウンフォース)を利用して、車が浮き上がろうとするのを防ぐのがスポイラーの役目です。
一般車の純正品のスポイラー100km/hを越えるまでは効果はないようです。
スポイラーよりGTウイングの方がより空気抵抗を受けやすいのでダウンフォースを稼ぐ事が出来ます。
詳細⇒GTウイング


・スリップストリーム[slip stream]

前方車の後ろに生じる空気の渦の中に入り、自分の車の空気抵抗を減らして走行する状態の事。
高速になればなるほど空気抵抗と比例し効果が高くなるが、前方車との車間距離をほとんど開けない状態でないと効果が薄いため双方高等な技術が必要とされます。
主にレースなどで使われるテクニックで、長いストレートコースでスリップストリームを利用して前車の直後で加速して追い越す時に使用します。



・スローインファーストアウト[slow in fast out]
コーナリングテクニックの基本。
コーナーに入る前に十分に減速しておき、コーナーに入ったらアクセルを踏み込んで脱出する事。
オーバースピードでコーナーに侵入してしまうとコーナー中に無駄なアクションが発生しスムーズに加速できない為、出口からの加速を重視したコーナーリングテクニックです。
サーキットなどでは、コーナーをいかに速く脱出するかでタイムに大きな差が生じます。


・タコメーター
エンジンの回転計の事。
国内では『rpm』表示で示します。
rpmはレボリューション・パー・ミニットの略で1分間に何回転してるかを表示しています。


・ダブルクラッチ

シフトダウン時に駆動系のロックや、シンクロ破損防止に使うテクニック。
しかし、現代の車ではミッションの性能が向上しているので、そんなに必要性はありません。
ダブルクラッチの詳細は、変速ショックを無くす為に行うもので、@ギアチェンジを行う際にクラッチを踏んで、ギアを抜く。Aクラッチペダルを戻しながら、アクセルを踏み込む。Bアクセル・ペダルを戻しながら、クラッチを踏み込む。Cギアをシフト・ダウンしてから、クラッチを戻す(クラッチを若干滑らせる)。D必要に応じて、エンジンを吹かすか、ブレーキを踏む。結果これによりクラッチ盤の摩耗や、万一の故障発生を回避出来きたり、スムーズな走行となり、同乗者に変速に伴う不快感を与えない、エンジンブレーキを上手に使う手助け(減速の時に)、シフトダウンしてエンジンのパワーを引き出す手助けとなる。
2回クラッチをつなぐ作業をするのでこう呼ばれる。


・タックイン[tuck in]

タックインとは、主にFF車でのフットブレーキを使わずに"アクセルオフとステアリングブレーキ"によって、"減速"し、曲がるためのテクニック。
まず、アクセルを抜く事で"若干のフロント過重"が掛かります。フロント過重が掛かると同時にステアリングを切る事で、例えば右コーナーであれば"右リヤタイヤ"が浮き気味になり、左フロントタイヤに過重が掛かりオーバーステアになります。これはもちろんアクセルを抜くタイミングとステアリングを切るタイミングを上手い具合にリンクさせなければアンダーが出てしまいます。
分かりやすくいうと、車は加速しながらコーナーを走っている時、前輪は少なからず外側にすべっているものなので、その加速を突然やめるとすべりがなくなり、車は突然コーナーの内側を向こうとします。
又、FF車で、旋回しながら速度を上げていくと、前輪がカーブの外側に滑っていくドリフト現象が起こります。このときアクセルを戻すと、今度は予定していたコースよりも内側に向きます。これらの特性をタックインといいます。


ディパーチャーアングル(背離角)
平坦な路面から、リアタイヤ中心の路面に接している箇所からリアバンパーの下末端を線状にした時の角度でこの角度が大きいほど走破性が向上します。
又、リアオーバーハング共に関わり、リアオーバーハングが大きいほどディパーチャーアングルは低下します。
簡単に説明すると、バックで平坦な所から急坂を上るときなどに、どれくらいまでならリアバンパーが斜面の道路につっかえないかという目安の数値。
GTカー等は皆無に等しく、インチアップなど施している4WDほど高い数値をいえます。
反対語⇔
アプローチアングル(近接角


・テンパータイヤ

応急用タイヤの事。
空気圧はかなり高く約4.2kgに設定されている。


・チョーク

キャブレターに吸い込まれる空気の量を調整する装置。
昔の車などでは冬場に空気の量を増やしてエンジンをかけやすくして始動した。
現代の車はオートチョークになっています。


・デフロスター
フロントガラスがくもった時に(温・冷)風を吹き付けてくもりを取り去る装置。


・トラクション[traction]
牽引力という意味。
駆動力を路面に伝える能力で、前に進みだす力の度合いを表します。
トラクションが高い車ですとコーナー出口でアクセルを踏んでもホイルスピンもなくエンジンの力をしっかり試用することができます。



・トリップメーター

走行距離を計る時に使うメーター。
任意に数値をリセットできる。
燃費計算にトリップメーターを使用して計算する。


・ドリフト[drift]

ドリフトとは、コーナー中にオーバーステアリングの状態でカウンターステアリング(次項からカウンター)を当てた時の状態を維持しながら走行する事。
ただ、グリップ走行とかでコーナー中に断続的に当てるカウンターとは違い、意図的にこのリアがブレイクした状態を維持して走行する事で、リアをブレイクさせる方法にも色々あります。
コーナーに差し掛かる手前や最中でFF車や、パワーが無い小排気量車に多いサイドを引いてブレイクのきっかけを作りアクセルのON、OFFで姿勢とスピードを調整する方法(FF車はブレイク後アクセルを入れた状態で断続的にサイドを引き姿勢を維持)や、パワーのある車ではアクセルを入れた状態でクラッチを蹴りギアが高回転でかみ合った瞬間に起きるリアのブレイクをきっかけとした方法などがあります。
ブレイクする手前、つまりグリップ走行時の限界を超えた状態での走行方法で、タイヤのグリップの限界はスキール音で判断します。
そして、更にレベルが上がると慣性ドリフトと呼ばれるドリフトがあります。
これはコーナーに差し掛かる時にオーバースピードで差し掛かかるともちろんのように大きいローリングを引き起こし4本のタイヤが同時ブレイクを引き起こします。
つまりきっかけはオーバースピードで発生するローリングの限界を超えて4本のタイヤがブレイクを引き起こした状態で、この状態である角度で横滑り状態を保ちながらコントロールされた車の状態の事を慣性ドリフトといい、前後のタイヤの横滑りを計算に入れてコントロールしながら進行方向を決め、仕様の仕方によってはサーキット等で行うタイムアタックでも十分に通用する高等な技術です。
普通のサイドやクラッチ蹴りのドリフト状態を維持して走行する方法でも4本ともタイヤは滑っていますが、慣性ドリフトはスピードが出ていないと出来ない為車が横にスライドしているように見えます。
一定以上のスピードと滑りやすい路面に有効で、特にラリーなどで多用される技術でもあります。
逆にサーキットのようなグリップの良い状況では、普通のドリフト走行をするとタイムが遅くなります。
詳細⇒オーバーステアリング、カウンターステアリング
詳細⇒グリップ
詳細⇒ブレイク
詳細⇒スキール音
詳細⇒ローリング


・トレッドパターン
タイヤの溝の模様の事。
排水性や縦や横に掛かる応力を考えて設計されている。